新築やリノベーションで、理想の住まいを実現する際、外観の美しさだけでなく、機能性も重要な要素となります。
その中でも、雨樋は、雨水を効率的に排水し、建物を雨から守る重要な役割を担っています。
しかし、雨樋の種類や素材は多種多様で、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、雨樋の種類や選び方について解説します。
□雨樋の種類とは?形状とその特性
雨樋は、その形状によってさまざまな種類に分類されます。
それぞれの特徴を理解し、自分の家の状況に合わせて適切な雨樋を選ぶことが大切です。
1:丸型
古くからある、断面が半円形の雨樋です。
シンプルな形状のため、他のタイプと比べて安価で、ホームセンターなどでも容易に入手できます。
そのため、コストを抑えたい方や、DIYで設置したい方におすすめです。
しかし、排水能力が他の形状に比べて低いため、雨量の多い地域や、屋根面積が広い住宅には適していません。
2:角型
断面が四角形になっている雨樋です。
丸型と比べて、同じ幅でより多くの雨水を排水できます。
また、スッキリとしたデザインなので、都市部で採用されることが多いです。
ただし、丸型と比べて価格が高くなる傾向があります。
3:意匠型
デザイン性を重視した形状の雨樋です。
先端側を高くすることで、樋と屋根の一体感を感じさせるデザインが多く、高級感があります。
しかし、種類が多く互換性がないため、将来、廃盤となった場合、メンテナンスが難しくなる可能性があります。
また、価格も高額なため、予算と相談して検討する必要があります。
4:内樋型
屋根の先端にパラペット部が立ち上がっている場合、内側に雨樋を設置します。
外部に軒樋が見えないため、スッキリとした外観を実現できます。
しかし、内樋が詰まったり、劣化したりすると、雨漏りに直結する可能性があります。
そのため、定期的な点検と清掃が必須です。
□雨樋の素材別の特性と選び方
雨樋の素材も、形状と同じように、さまざまな種類があります。
それぞれの素材には、メリットとデメリットがあり、用途や環境によって最適な素材が変わります。
1:塩化ビニール樹脂(塩ビ)
雨樋の素材として、最も一般的なのが塩化ビニール樹脂です。
安価で、豊富なバリエーションがあり、様々な住宅にマッチします。
また、樹脂特有の柔軟性があるため、多少の衝撃にも強く、破損しにくいという特徴があります。
しかし、耐熱性や耐衝撃性に劣るため、紫外線や雨風による劣化が起こりやすいというデメリットがあります。
そのため、長期間の使用を考えると、耐久性の高い他の素材を選ぶ方が良いでしょう。
2:スチール
スチール製の雨樋は、強度が高く、耐久性に優れています。
また、錆びにくいように、樹脂で覆われているものもあります。
デザイン性も高く、カラーバリエーションも豊富なので、外観にこだわる方におすすめです。
ただし、塩ビ製に比べて価格が高くなります。
3:ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛でめっきされた鋼板で、錆びにくく、耐久性に優れています。
近年では、屋根材や外壁材としても人気が高く、雨樋にも採用されるケースが増えています。
強度が高く、長寿命なので、長期的に安心して使用できます。
ただし、塩ビ製やスチール製に比べて価格が高くなります。
4:銅
銅製の雨樋は、高級感があり、経年変化を楽しめます。
素材そのものが美しいので、外観にこだわりたい方におすすめです。
しかし、価格が高く、メンテナンスも必要になります。
5:アルミ
アルミ製の雨樋は、軽量で、錆びにくいという特徴があります。
価格も比較的安価なので、コストパフォーマンスに優れています。
しかし、強度が他の素材に比べて劣るため、強風や衝撃に弱いというデメリットがあります。
6:ステンレス
ステンレス製の雨樋は、強度が高く、錆びにくいという特徴があります。
耐久性にも優れ、長寿命なので、長期的に安心して使用できます。
しかし、価格が高く、他の素材に比べて重いというデメリットがあります。
□まとめ
雨樋は、建物を雨から守る重要な役割を担っているため、適切な種類と素材を選ぶことが大切です。
形状や素材によって、耐久性、デザイン性、価格などが異なります。
自分の家の状況や予算、好みなどを考慮して、最適な雨樋を選びましょう。