自宅で発生した雨漏りに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
雨漏りは、放置すると建物自体に深刻な被害をもたらす可能性があります。
しかし、原因特定や適切な対策が難しいと感じられることも少なくありません。
この記事では、雨漏りの原因や対策について解説します。
□雨漏りの発生箇所とその原因を解説
雨漏りは、発生箇所によって原因が異なるため、まずは発生場所を特定することが重要です。
例えば、屋内の壁、2階の天井、1階の天井、階段など、それぞれの場所で考えられる原因は大きく異なります。
1:屋内の壁
外壁のひび割れや外壁の目地の劣化、開口部のコーキングの劣化、雨樋の詰まり・破損などによって、屋内の壁からの雨漏りが発生します。
外壁のひび割れや目地の劣化は、経年劣化や地震などの影響で発生することがあります。
コーキングの劣化は、紫外線や雨風にさらされることで起こります。
雨樋の詰まりは、ゴミが溜まって水が流れにくくなった状態です。
2:2階の天井
屋根材の割れ・消失や、屋根の接合部の不具合が原因です。
屋根材の割れや消失は、強風や雹などの影響で発生することがあります。
屋根の接合部の不具合は、施工不良や経年劣化によって起こることがあります。
3:1階の天井
ベランダの排水溝の詰まりや、ベランダ防水の劣化、戸袋(雨戸の裏)からの染み込みが天井からの雨漏りの原因です。
ベランダの排水溝が詰まると、水が溜まって雨漏りの原因となります。
ベランダ防水の劣化は、経年劣化や紫外線による影響で起こります。
戸袋からの雨水の浸入は、戸袋の破損やコーキングの劣化などが原因です。
4:階段
主に天窓の不具合による雨漏りが原因です。
天窓のガラスパッキンからの浸入や天窓と屋根材の隙間からの浸入などが考えられます。
□雨漏り調査の手法とその有効性
雨漏りの原因を特定するには、適切な調査方法を選ぶことが重要です。
ここでは、一般的な調査方法を4つ紹介し、それぞれの有効性について解説します。
1:目視調査
目視調査は、建物の外観や内部を直接目で確認する方法です。
この方法では、建物の劣化や損傷箇所を早期に発見できます。
しかし、目視調査では、見えない場所や微細な問題は特定できない場合があります。
2:散水調査
散水調査は、建物の漏水箇所を特定するために、専用の散水装置やホースを使用して水をかけ、漏水箇所を調べる方法です。
この方法では、建物の防水性能を評価し、早期に漏水や損傷箇所を特定できます。
しかし、この方法では、屋根や外壁など、水をかけられる場所しか調査できません。
3:紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)
紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)は、特殊な調査液を使用し、紫外線を照射することで、目視では確認できない微細な欠陥や損傷を検出する方法です。
この方法は、目視調査や散水調査では発見できない、建物の内部のひび割れやコーキングの劣化などを特定できます。
4:赤外線サーモグラフィー調査
赤外線サーモグラフィー調査は、建物の熱分布を可視化する調査方法です。
この方法では、建物の断熱性能や漏水箇所を特定できます。
例えば、漏水している箇所は周囲よりも温度が低くなるため、赤外線カメラで撮影すると温度差が可視化され、漏水箇所を特定可能です。
□まとめ
雨漏りの原因は、発生箇所によって異なります。
まずは、発生場所を特定し、適切な調査方法を選択することが重要です。
目視調査、散水調査、紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)、赤外線サーモグラフィー調査など、それぞれの調査方法には特徴があります。
これらの情報が、雨漏り問題を解決する手助けになれば幸いです。